
猫の体にとって、硫黄はタンパク質を構成する含硫アミノ酸(システイン、メチオニン、タウリンなど)の形で存在し、生きていく上で必須のミネラルです。
また、硫黄を含む化合物は猫の「フェロモン」として機能し、オス猫のふんの悪臭の原因物質にもなっており、同種や性別の識別に関わっています。
玉ねぎなどに含まれる「有機チオ硫酸化合物」は赤血球を破壊し重篤な貧血を引き起こすため、猫に非常に有害です。
また、猫の尿やフンは硫黄を含む物質によって独特の臭いを放ち、これはフェロモンとしての役割も持つことが分かっています。
猫に必要な硫黄(良性)
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含硫アミノ酸:猫には必須アミノ酸のシステインやメチオニン、タウリンなどが必要です。
これらは動物性食品(肉、魚、卵)に豊富に含まれています。 -
健康維持:含硫アミノ酸は、体内のさまざまな働きを担う必須栄養素です。
猫にとって有害な硫黄(悪性)
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玉ねぎ中毒:玉ねぎに含まれる「有機チオ硫酸化合物」は、猫が摂取すると赤血球を破壊して重度の貧血や急性腎不全を引き起こします。加熱調理された玉ねぎや、料理に含まれる玉ねぎなども危険です。
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症状:貧血、血尿、消化器症状などが起こり、最悪の場合死に至る危険性もあります。
猫の体と硫黄
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尿の臭い:猫の尿に含まれる「フェリニン」という含硫アミノ酸が、ニオイの原因物質に変化することで臭いを放ちます。
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フンの臭い:猫のフンが独特の強い臭いを持つ原因も、硫黄を含む化合物です。
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フェロモン機能:これらの含硫物質は、フェロモンとして機能し、他の猫とのコミュニケーションにも役立っています。