「猫は吐く動物だ」
長年猫と暮らしていると、そのように考える飼い主が多いのではないでしょうか。
確かに、猫は有害なものを体内に置いておくことを避けるために、吐くのが得意な動物です。
でも、「吐く」という行為にも理由があります。
週に数回吐くような場合は普通とは言えないかもしれません。
猫と抜け毛
猫は抜けた毛をグルーミングで飲み込んでしまいます。
飲み込んだ毛は、消化が悪く、猫の消化管の中で毛玉(毛球)となります。
便として出るために、ほとんど吐かない猫もいます。
便として排泄するのが得意ではなく、定期的に吐く猫がいます。
うちの猫の毛玉処理がどのタイプか把握しておきましょう。
今までよりも毛玉を吐く回数が増えたら、換毛期かな?とも考えられます。
もし、猫が毛玉を吐く回数が増えたら、その頻度や吐いたものから猫の身体に何らかの変化が起こっているサインかもしれません。
猫の消化管は一定量の被毛を処理するように作られています 。
グルーミングで自らの毛を飲んだり、ほかの動物の毛を飲み込んでしまうことがあるからです。
猫の毛の長さ、春や秋の換毛期以外に毛を多く呑み込んでしまう理由があります。
・ストレスや皮膚炎による、過度なグルーミング。
・食事が合っていない
・消化機能障害
などによっても、毛玉を吐く頻度が増えることがあります。
猫の毛玉が大きくなる理由
猫が飲み込む毛が増えると、胃の中に容易に腸に通過することができない塊を形成します。
猫の身体はその「異物」を取り除く必要があることを知っています。
猫の毛玉が大きくなる理由
・毛を多く飲んだ
・水分不足の食事
・胃腸・腸管の問題
毛を多く飲んだ
長毛の猫は短毛の猫よりも毛玉の問題が多くみられます。
アレルギー、感染症、または寄生虫によって引き起こされる皮膚の状態は、過剰な脱毛または過剰手入れを引き起こす可能性があります。
心因性脱毛症とも呼ばれる過剰なグルーミングは、大きな毛玉を作ってしまうことがある猫の強迫性障害です。
水分が少ない食事
ドライフードを食べさせられている猫は、臓器が正しく機能するために必要な水分をほとんど摂取していません。
ドライフードのほかに水を飲むことはこの解決策にはならないことがあります。
必要なのは、「細胞が利用できる水」です。
水分が枯渇した消化管は、栄養的にバランスのとれた、水分補給できる生の食事を摂っている猫の消化管よりも毛玉を排出することができません。
胃腸・腸管の問題
ドライフードを食べている猫は、極端に高い温度でレンダリングおよび加工された質の悪い原料を使ったエサを食べています。
これらの「高温加熱」「レンダリング」「圧力」は猫の食事の栄養価に劇的な影響を与えます。
「ペット飼料」に使用される質の悪いタンパク質の消化率は測定されていません。
また、有害な副産物(糖化最終生成物や複素環式アミンなど)、農薬(グリホサート)、遺伝子組み換え成分なども含まれています。
これらは猫の腸内細菌のバランスを乱す要因です。
炎症性腸疾患(IBD)、寄生虫、異物、癌または他の深刻な障害のような炎症状態によって通常の量の被毛さえ処理できないくらい消化管がダメージを受けているかもしれません。
毛球は生命を脅かすほど大きくなり、外科的除去を必要とするほど大きくなる可能性があります。
愛する猫が、普段どのように毛玉を排出しているかをしっかり観察しましょう。
もし、今までよりも毛玉を吐く回数が増えたり、吐こうとする行動が増えたら必要に応じて獣医師に相談しましょう。
また、もし猫が咳をしたりぜえぜえと今までにない呼吸を見せたときにも獣医師に相談してください。
猫の毛玉を減らすのに役立つ知識
☆食事の改善
1 水分の補給
食材で作られ、栄養バランスが取れた食事を摂りましょう。
猫は生の食材からの自然な水分を必要としています。
どうしてもドライフードを手放すことができないのであれば、せめてボーンブロス(骨のスープ)をドライフードに振りかけたり、ドライフードを水分と一緒に食べさせるなど工夫をします。
2 少量の食物繊維
オオバコ種子の粉末やスプラウトシードを少量から試してみてください。
これらは猫の便秘対策にも役立ちます。
3 消化酵素
野生の猫は生の食物を食べ、天然の消化酵素(食物酵素)を食べています。
食物酵素は加熱により失われますので、加熱した食物を与える場合には消化酵素が役立つ場合があります。
キャットフードには含まれない天然の酵素が猫の消化を助けます。
4 オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)
猫にえごま油・アマニ油などの植物性の油では、オメガ3脂肪酸に期待する効果を得ることができません。
動物性のオメガ3脂肪酸を与えてください。
猫の皮膚被毛の状態を改善するだけでなく、飲み込む毛を処理する消化器系の能力を高めることもできます。
☆猫のお手入れ
コームなどでブラッシングなどお手入れの回数を増やします。
長毛の猫は毎日5分、短毛の猫でも週に3〜4回は皮膚被毛の処理をしましょう。
定期的なブラッシングまたはコーミングは表皮に残った皮膚の汚れを取り除き、血行もよくします。
ソフトタッチのマッサージも加えると良いでしょう。
スリッカーブラシでは猫の抜けていない毛も抜いてしまうことがあるため、コームをお勧めしています。
猫により好みがありますので、猫がブラッシングを好きになるような工夫をしてスキンシップやコミュニケーションをとりましょう。
お手入れの注意点
ワセリンやミネラルオイルを使わないでください。
どうしても猫の毛の滑りをよくするために何かを使わないと排出できないのであっても、石油を含むオイルは使わないでください。
猫の毛玉と猫の食事に関連がないと考える方もいるかもしれません。
水分や食物繊維、消化酵素など、ブラッシング以外にも猫の毛玉が排出しやすいようにケアする方法をご紹介しました。
ドライフードを食べていると、腸内環境が悪くなります。
腸内環境の悪化が要因で毛玉を作ったり、便の問題を引き起こすことも少なくありません。
ドライフードを含むキャットフードの選び方を知る
キャットフード以外にも、猫が好んで美味しく食べられて猫の身体を楽にする食べ物は、探せばまだまだたくさんあります。
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参考資料