医療の世界で仕事をさせていただき、17年が経ちます。
私は、猫の健康ごはんアドバイザーとして、食事をはじめとした猫のナチュラルケアを飼い主さんに伝える仕事をしています。
より、動物病院への通院を活用するためにこんな考え方がありますよ、ということを書いてみました。
お客様からのよくある質問が「動物病院へ行った方がいいでしょうか?」です。
動物病院へ行くかどうか迷うのであれば、連れていく前に情報を整理してみてはどうでしょうか。
猫の様子がなんか変…病院へ連れていくべき?
病院へ行く前に、深呼吸して落ち着いて準備しましょう。
救急の場合はこの限りではありません。
猫を病院へ連れていく前に
☑ 猫と自分でバッチフラワーレメディの「レスキューレメディ」を飲む
☑ 最低限獣医師に伝えることと、聞きたいことをメモする。
そのうえで、
・「自分の手には負えない」
・「通院が必要である」
と思ったら通院します。
☑ 診察時間を確認し、予約する
☑ 診察券や保険証券を準備(ひとつにまとめてあると良い)
バッチフラワーレメディ
猫の場合はグリセリンタイプを選びます。
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最低限獣医師に伝えること【2W】
When いつから 【 時期 】
What 何が起こっているのか 【 症状 】
犬猫の様子を伝える
犬猫の言葉で書き出してみる
「痛い」
「苦しい」
「吐き気がする」
犬猫の見た目の状態を書き出してみる
「右足を引きずっている」
「目が開かない」
理由として考えられるものがある場合【5W2H】
When
いつから 【 時期 】
What
何が起こっているのか 【 症状 】
Who
誰が(飼い主か?ほかの動物か?外的要因か?) 【 要因を起こしたものがわかれば 】
Where
どこで(外的要因の場合) 【 場所 】
Why
なぜそうなったのか 【 理由 】
How
どうして・どうやって【 起きたことをより詳細に 】
How many
どのくらい 【 規模 】出血量など
ここまで準備して、あれ、行かなくてもいいかもと思うかもしれません。
「いつから」についてはおかしいと気づいたら、記録をしておく癖をつけておくとよいです。
手作りごはんにしているのなら、記録があるはずです。
急ぐならその記録を持参すればよいのです。
記録をつけるのは、いざというときに事実を獣医師に伝えるためでもあります。
☆ワクチンを打つ場合は、接種後30分以上病院で様子を見ます。
最終診療時間ギリギリではなく、時間に余裕をもって行きましょう。
診療を受けるとき
☑ 保定は飼い主自身が行う。
☑ 猫から絶対に目を離さない
☑ 治療行為が飼い主の目の届かないところで行われないようにする。
☑ スマホで録音する
☑ メモをもとに、聞き逃しがないようきちんと聞く
☑ 注射について、本当に必要かどうか聞く。投薬でも良く今注射をしなければ命に係わるというものでなければ投薬にしてもらい、よく調べてよく考えて投与する。
☑ 投薬や注射については必ず「デメリット」「副作用」を確認する。
☑ 薬の名前は、必ず正確に聞く(できればその場で調べる)
☑ フードを勧められたら食事要因ということがはっきりするので、治療行為は不要。フードを諦めて手作り食にする。
☑ 処方については本当に処方の必要性があるのか、確認する。
☑ 注射をされたら、診療後30分は待合室や車で待機する。
☑ 注射をする場合、前回と同じ場所には接種しない。注射を打つ場所を記録しておく(先生に断り写真を撮らせてもらう)
私は、飼い主さん外で待っててと言われても目を離さないと決めました。
猫が通院する羽目になったということは、100%飼い主に意識無意識にかかわらず責任があります。
どんなにつらい行為が行われようとも、それは飼い主に代わって医療機関が行っていること。
猫に行われることから、決して目を離さないようにしています。
獣医さんに言ってはいけないこと
☑ 〇〇してほしいんです!(治療に口出し)
☑ 〇〇だと思うんです!(自己診断)
基本的に獣医さんは飼い主の感情は聞いていません。
〇〇してほしい、と言ってくる飼い主にはその通りにしてとっととお帰りいただきます。
飼い主の感情ではなく、猫の客観的な観察の結果と事実のみを伝え、先生の意見を聞きます。
その上でどうするか、は飼い主が決めます。
おまけ
スルーする「獣医の言葉」
☑ この子の理想体重は〇Kgだね~
☑ この子は〇〇が弱いね~
☑ 自分の言うとおりにしないと治らない
☑ 薬を止めて何かあっても責任は取れないよ
あまり意味がないので、とらわれないようにしましょう。
体重ではなく体型で見ます。
〇〇が弱いという言葉に縛られすぎる方が多いです。
体質は変わります。
一生その状態ではないです。
「体質だから」と言われたら転院を考えたほうが良いでしょう。
獣医さんの上手な活用方法
お医者様も人間です。
お医者様は、質問してくる患者や知恵がついた患者は大嫌いです。
この記事を実践して獣医さんがイラついたり感情的になったとしても責任は負いかねます。
患者を恫喝したり感情的になる先生と、理解し治すために患者さんを上手にコントロールできる先生。
どちらに診てほしいですか?
動物病院は、ほかにもたくさんあります。
どんどん若い先生も増えています。
患者はお金を払っています。
獣医さんに聞けるのは、お金を払った診療時間しかありません。
獣医さんに嫌われたらどうしようと思わず、愛する猫さんのために踏ん張って、遠慮しないようにしましょう。
あくまでもこちらは知識のない弱い立場なので、導いてほしい、頼っている態度を崩さないようにします。
話をするときにはクッション言葉を上手に使い、謙譲語と尊敬語を駆使し、3分に1回は「先生のおかげ様で」という枕詞をつけるという方法もあります。
私は、抗生物質を飲ませることはないと思いますが、獣医さんが第一選択で抗生物質を出したらこう聞きます。
「抗生物質を飲んで、感染が治まったら何を飲んだらいいですか?」
「先生の第一の選択肢は〇〇ですね。第二の選択肢は何かありますか?」
「最後に」とつけて質問したときに返ってくる答えがホンネだということもあります。
欲しい情報を引き出すには、「例話法」や「質問話法」を使います。
獣医さんは診断と治療行為のプロです。
猫のからだの状態「何が起こっているのか」を「言語化」し、治癒のための方法を提示してくれるアドバイザーです。
病気を治す人ではありません。
神様でもありません。
病気を治すのは、猫の自己治癒力です。
その自己治癒を邪魔せず、最大限に生かすのが「食事」と「環境」です。
薬は、どうしても耐え難い症状を軽減してくれるもの。
「症状を抑えた」と「治った」は同じではありません。
獣医さんから上手に情報を引き出し、話し合える知識を身に着けるには、こちらも猫のことを知っておきましょう。
猫の自然食コースで猫の身体の基本を学び、獣医さんとうまく付き合える飼い主になりませんか?