猫の甲状腺機能亢進症は、10歳以上の老猫の2~4%で発症するとも言われる内分泌異常の病気です。1990年代以降、増加の一途をたどっています。
この増加の要因は、食事内容と環境が主な要因だといわれています。

ある保険会社の調査では、猫の内分泌疾患は1.3%ほどとなっています。
これは0~12歳までの年齢を対象にした調査です。
それ以上の年齢で調べると、もっと多い割合で出現している可能性が高いでしょう。

食事が要因で甲状腺機能亢進症を引き起こすわけですから、猫が甲状腺機能亢進症になる要因を知り、それを避けた食事を食べさせることで飼い主自身が知識をもって予防を考えることが重要になります。

すでに症状を表している猫でも、手作りごはん・自然食を主とした食事療法で改善できる可能性もあります。

この記事では、猫の甲状腺機能亢進症とその予防、食事療法について書いています。

猫の甲状腺機能亢進症の症状

甲状腺ホルモンを過剰に分泌するようになり、下記のような症状が見られます。

食欲の増加。良く食べ、食事を要求する。
子猫のように活発になる。運動量が増える。

おとにゃんになっても活発で元気でいてくれることは、飼い主としてとても喜ばしいことです。
ですが、同時に下記のような症状がみられる場合は、「甲状腺機能亢進症」という疾患があることも飼い主の知識として頭の片隅にいれておきましょう。

・体重減少
・下痢、嘔吐
・多飲多尿
・コレステロール低下

これらの症状が見られたら、一度病院で検査をすることを考えてください。

 

猫の甲状腺機能亢進症の要因

猫の食事内容と環境が主な要因とみられています。

本村伸子先生は、2005年発行の書籍「犬と猫のためのナチュラルケアシリーズ⑥ホルモンの異常に気付いていますか!?」ですでに指摘しています。

缶詰のエサを食べている猫の方が、缶詰を食べていない猫よりも発症率が高いという結果も出ています。
缶詰にはポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)が使用されていることがあり、長年食べ続けることにより猫たちの体内にとどまり、シニアの年代になったころに発症の要因の一つと指摘されています。
こちらの2016年6月8日の毎日新聞の記事を引用します。

 愛媛大の野見山桂(けい)准教授(環境共生学)らのグループが、飼いネコの血中から高濃度の残留性有機汚染物質を検出、甲状腺ホルモンへの影響も初めて確認した。
魚介類を原料とするペットフードと屋内のハウスダストが原因とみられ、野見山准教授は「甲状腺機能障害を起こす危険性がある」と指摘する。
8日に新潟市で始まる日本環境化学会で発表する。

  • 有機物質「ポリ臭素化ジフェニルエーテル」(PBDEs)は、難燃剤として広く使われているが、体内にとどまるとホルモン分泌に影響を及ぼす。

グループがネコの血清55検体を調べたところ、PBDEsと、PBDEsが体内に取り込まれてできる物質が、ヒト血清の数倍〜数十倍検出された。また、PBDEs濃度が高い血清ほど甲状腺ホルモンが少ない傾向も判明した。イヌの血清検体も同様に調べたが検出されていない。

 さらに国内の主要30種のペットフードを調べると、天然のPBDEsが高い濃度で検出された。カツオやマグロを原料とするものほど高く、ウエットフードの方がドライフードより高かった。

 野見山准教授は「ネコは、毛づくろいと食事からハウスダストと餌に含まれるPBDEsを体内に取り込むが、これらの化合物を体外に排出する力が弱い特有の性質がある」と話す。
成長異常や活力低下など、甲状腺機能障害の臨床例との関連を今後調べる。

ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)は、缶詰や魚系のフードにだけ気を付ければ、大丈夫?

PBDEは、室内のあらゆるところで見つかります。
さまざまなプラスチック製品の難燃剤として使用されているからです。
そのため、食事だけに気を付けていれば猫たちの健康を守れるわけではありません。
自由に外に出られない猫たちには逃げ場がありません。

室内の空気を入れ替えることや、プラスチック製品を猫たちに近づけない、食器類に気を付けるなど、できる範囲で猫たちをPBDEから遠ざけること。
できる範囲で考えることは無駄ではないはずです。
化学物質は今日一度にさらされて体調に影響をきたすわけではなく、日々の蓄積で年月を経てから症状として現れるものだからです。

電磁波などと同じように、完全に遠ざけることができないからこそ、飼い主さんのちょっとした気遣いや工夫が猫たちを守ることに繋がります。

ペットフードの選び方を知る、手作り食を取り入れるなどして毎日毎食PBDEが入ったものを与えるのではなく、少しは減らす工夫などは飼い主にしかできない猫のナチュラルケアです。

飼い主が学び知ることで日頃から猫たちを守るために飼い主にできることは、まだたくさんあることがわかります。

 

猫の飼い主にできる、甲状腺機能亢進症の予防

・カツオやマグロを使ったフードの方が、高い濃度で検出される
・ドライフードよりウェットフードの方が、高い濃度で検出される
・週に1度は体重測定をして、体重減少がないか確認する
・室内に充満し、低い位置に溜まる可能性もあるので、換気や清掃を心がける

些細なことかもしれません。
ちょっとのこと、と笑い飛ばす方もいるでしょう。
化学物質が溜まる前に猫の寿命が尽きる、とか。

本当にそうなのでしょうか。

それまで例がなかったのに日本において1990年代以降増加の一途をたどっている病気です。

治療は毎日の投薬または手術です。
ホルモンの疾患は、想像できない苦しさがあることでしょう。
自分の猫にそのような辛い闘病をさせるのか、予防を考えるのか。

世界の環境汚染とうちの猫のホルモン・内分泌の病気が無関係ではないことが日本の大学でも研究されています。
この事実を見ないふりをするも、受け止めて対処するも飼い主次第です。

 

「シニアの割に元気」に見える病気です。
飼い主が知識をもってよく観察しなければひどくなるまで見落としてしまうかもしれません。
日々の猫さんの状態をよく見て、記録し、週に1回は体重測定をして体重などに異常がないかチェックして早期発見に努めましょう。

ごはんで愛猫を守れるのは、飼い主さんだけ。
元気なうち、若いうちに手作り自然食を取り入れて大切な猫さんを生活習慣や環境が引き起こす疾患から守るために、猫の健康のための食事について学び実践するお手伝いをさせていただいています。

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