
猫は砂肝を食べない?その理由と栄養価、与える際の注意点
猫の食材として「砂肝(砂ずり)」は与えてもいいのか、悩んだことはありませんか?
砂肝は猫に与えることはできますが、強くお勧めするほどの食材でもありません。
この記事では、砂肝について猫が砂肝を食べない理由や、栄養価などについて詳しく解説します。
猫が砂肝を食べない理由
砂肝は別名「筋胃」と呼ばれます。
鶏の胃の筋肉部分で、非常に硬い繊維でできています。
歯ごたえがありすぎて猫が噛み切れない・食べづらいと感じることあります。
うまく飲み込めなくて吐いてしまうというお声もあります。
猫が砂肝が大好きなら与えてもいいですが、嫌がるのなら無理に与える必要もありません。
家庭の猫だけでなく、動物園のトラが砂肝だけを残していたという例もあります。
嗅覚や味覚ではなく、“食感”が原因で避けているのかもしれません。
鶏には、歯がありません。
地面をついばんで食事をすると胃袋に砂利が入ります。
この砂利を砕く強力な筋肉でできた胃袋が「砂肝」です。
本来の鶏の砂肝には砂利が入っているためか、動物園のネコ科の動物が砂肝をぽんと放るような描写もありました。
砂肝は栄養価が高い?
砂肝は「内臓」と思われがちですが、実際は筋肉に分類される部位です。
内臓類の一つですが、筋肉のためほかの筋肉と比較して栄養価に特筆すべき点は特にありません。
砂肝と他の鶏肉の栄養価を比較してみます。
栄養素 | 鶏砂肝(100g) | 鶏むね肉(皮なし100g) |
エネルギー | 約94kcal | 約108kcal |
タンパク質 | 約18g | 約22g |
脂質 | 約1.8g | 約1.5g |
鉄分 | 約2.5mg | 約0.3mg |
亜鉛 | 約 3.0 mg | 約 1.0 mg |
ビタミンA | ごくわずか | ごくわずか |
筋肉である鶏むね肉と比較して、砂肝は、亜鉛が豊富、鉄分がやや豊富です。
それ以外のビタミン類など栄養価が飛び抜けて高いわけではありません。
猫に砂肝を与えるべきか?
猫に砂肝を与えても問題はありません。
ただ
栄養価は他の肉と大きく変わらず、特別優れた食材ではない。
非常に硬く、猫が食べにくいため、嫌がる可能性がある。
砂肝を栄養豊富な内臓と勘違いして内臓を食べたつもりになっていると、内臓の栄養が不足することもある。
猫の健康維持には、砂肝だけでなく、心臓・肝臓・腎臓などの栄養価の高い内臓肉をバランスよく取り入れることが大切です。
猫の自然食は「ネズミの全身を再現する」ことを目指します
猫は完全肉食動物です。
人間の手が入らない自然界では、ネズミなどの小動物を丸ごと食べています。
そのため、猫の自然食は、筋肉・内臓・骨をバランスよく組み合わせることが必要です。
砂肝ばかり与えるのではなく、ネズミの全身を再現するように、様々な部位を組み合わせて健康的な食事を作りましょう。
まとめ|砂肝は使えるけれど、超おすすめでもない。
砂肝は猫に与えても問題ありませんが、主食になったりほかの部位の栄養を補うような部位ではありません。
嗜好性や栄養バランスを考えると、トッピング程度の扱いが適しています。
砂肝が好きなら食べるのはもちろん問題ありません。
ただ、硬くて食べたがらなかったり吐いたりするのに無理に食べさせる必要も、食べないからと言って落ち込む必要もないです。
猫に砂肝を食べさせていることで、内臓を食べさせていると思い込むことも、また見直したほうが良いです。
猫の自然食を実践するなら、「栄養」で食材を選ぶことが大切です。
そのために重要なのは、イメージで食材を選ぶのではなく、正しい知識のもとに食材を選ぶことです。
正しい知識で、猫の自然食を始めよう
猫の手作り食や猫の自然食は「良さそう」と思って独学で始めると、かえって栄養バランスを崩してしまうリスクもあります。
本当に猫のためになる食事を作るには、安全に始め安心して続けるための正しい知識とノウハウが重要です。
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参考:京都市動物園ブログ
https://zoo.city.kyoto.lg.jp/zoo/enjoy/blog/breeder-blog/20100426-2004.html